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「黄金町をもう一度盛り上げたい」その思いで開いたタイレストラン

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アッカム・マニーさん
ご主人が経営する不動産会社の秘書を務めた後、2004年2月23日にタイ料理店イヤムプシャナーをオープン。
2女の母。現在は自宅で孫娘のさくらちゃんの面倒を見る日々。

「黄金町をもう一度盛り上げたい」 その思いで開いたタイレストラン

友達と一緒に日本に来たのは、私が24才のとき。日本で今の旦那さんと出会って結婚しました。旦那さんはいい人ですよ。周りの人にも「いい人を見つけたね?」と言われます。文句は言わない、けんかもしない、相談にも乗ってくれる。本当にいい人。

黄金町は、30才の頃からずっと住んでいます。娘が通った幼稚園や学校は、すぐそばですよ。旦那さんは不動産会社の社長で、私は秘書をやっていました。サーバーや金庫、印鑑など、全部私が管理していたし、旦那さんがいないときは私が代わりにやらなくちゃいけないし、契約書にも判子を押さないといけない。もちろん、内容をしっかり理解していないとダメだから、難しい用語も、漢字も覚えました。私は自分では無理だと思っていたけれど、旦那さんは「お前は頭がいい。覚えるのも早いから大丈夫だ」と励ましてくれたんです。一生懸命勉強しましたよ。だから誰も私をだませない(笑)

レストランを始めたのは2004年2月。昔は黄金町にタイ人がたくさんいましたけど、みんなタイに帰ってしまいました。前は賑やかだったのに、すっかり暗い通りになってしまった。私には2人の娘がいるし、(暗くて物騒な雰囲気が)心配でした。この通りを、昔のようにもう一度盛り上げたい。じゃあ、自分でお店を開こうと思いついたんです。始めに考えたのはタイラーメンとカノムコーだけのお店。うちはデザートの種類がいっぱいあるでしょ? 私はタイでデザート職人の免状を取ったから、オープン当時、20種類のデザートを1人で作っていました。カノムコーは他の店では出していないでしょ? これはすごく人気があるよ。おいしいから食べてみて。

私はそんなに大きな店にしたいと思ってなかったね。でも旦那さんは逆。やるからには思いっきり大きくやりたいと考えるの。結局ラーメンだけじゃなくて、いろんな料理を出すお店を開くことに。今、お店にはTUK TUKが2台あるけれど、これも旦那さんが買ったもの。私はそのパンフレットが郵送されてきたとき、旦那さんに見られないように隠したよ。でも、旦那さんが見つけて結局買っちゃった(笑)。TUK TUKは、黄金町や日出町、伊勢佐木町駅までの無料お迎えサービスに使ったりイベントに持って行ったりします。TUK TUKに乗ったお客さんは本当に喜んでくれます。私はお客さんが喜んでくれる顔を見るのが一番うれしいからね。だからサービスもします。スタンプを集めると割引券として使えるカードも渡しているし、タイまでの航空券が当たる抽選もやります。「本当に当たりは入っているの?」っていうお客さんもいるけれど、私はうそは嫌いだから、ちゃんとペアで行けるよう2枚入りの航空券を用意します。うそはいいことないですよ。私はうそがつけないの。「お前年とったねえ」と言われると、普通は「そんなことない!」って怒るでしょう? でも私は「うん、年とったよー」。って言える。さっきも私、あなたと会ったとき「私太ったから写真は自信ない」と話したでしょ。私は正直に生きたいの。
心を鎮めてくれる瞑想は 日々の生活に欠かせない大切なもの

今、お店は娘とその旦那さんに任せています。孫がいるので、私は家で孫の面倒を見ています。だけど娘は若いし、まだまだしっかりしていないから、目が離せません。世の中は不景気だし、会社のこともあるし、お店も見なくちゃいけないし、忙しいです。イライラすることもあります。そんな私にとって大切なのが瞑想。毎日、瞑想してお祈りしていると、何があっても気持ちがおだやかになっていくのがわかります。周りの人たちの言うことも気にならなくなる。5?6年前から毎日瞑想していますが、今では旦那さんもやるようになりました。でもね、心の弱い人が長い時間瞑想すると、危ないときがある。魂が身体から抜けて、身体に戻れなくなったりするから。

お寺にも行きますよ。行くのは八王子か海老名のお寺。自分が行けないときは娘に行ってもらいます。お寺のお坊さんに会って、話しをするんです。そうすると本当に気分がよくなる。今は家族が一番大切だけど、もし私に家族がいなかったら尼さんになりたかった。タイに帰っても行くのはお寺。お坊さんから「里帰りしているなら、来れば?」とお誘いがあれば、私は絶対に断らない。お坊さんのお誘いは断れないですよ。

去年の12月、お寺のお坊さんの前でタバコを止めると決めました。それから一切吸っていません。(全く?という問いに)1本も吸ってないよ。だって神様の前で誓ったから。破ってバチがあたるのが怖いもの。私がこんなに仏教に熱心なのは、故郷(イサーン)のお祖父さんとお祖母さんの影響ね。2人とも熱心な仏教徒で、本当にしつけに厳しかった。口ごたえは許されなかったし、短いスカートもはけなかった。でも、それはすごくいいことだと思います。

私はタイの昔からの文化や歴史が好きだし、大事にしなくてはいけないと思っています。タイ人は親を大切にする気持ちが強い。その思いを持っていれば、自分の運命はよくなります。

私は、もともと強すぎるくらい強いんです。例えば、私とあなたでラーメン屋さんに行くとします。お金は1000円しかなくて、私はラーメン食べたい。でもあなたチャーハン食べたい。両方は食べられない。そういうとき、私は絶対負けないよ(笑)。

でも瞑想を始めたことで変わった。悪口を言われても怒らなくなったし、許すようになりました。今は、私が誰かを助けたとしても、その人にありがとうと言ってもらわなくてもいい。困っている人を助けること、それは人として当たり前のことだから。
日本に暮らすタイ人よ! もっともっとがんばって!

日本にいるタイ人には、もっと頑張ってほしい。私みたいに。はじめ、私がお店を始めたとき、周りはいつまで続くかな?という目で見ていた。だけどがんばってきたから、今まで続けてくることができたし、お店は株式会社にもなった。妬んで悪口を言う人もいます。でも、そんなこと気にしなくていいの。人に何か言われても気にしないで、前をむいていい方向へと向かってほしいの。今、不景気だからどこの会社もお金使わないでしょ。うちも大変ですよ。でもそこで節約ばかりしてお金が回さないと、ますますみんなの生活が悪くなる。だから私も借金しています。ビジネスしていると借金は当たり前でしょう? 私はタイ人として長年日本にお世話になってきました。子どもも旦那さんもいるし、もうタイには帰れない。私ががんばるのは、子どもや孫がいるから。だからがんばれるんです。

将来はショーができるシアターをやりたいですね。パタヤのショーみたいのがいいですね。タイの文化や伝統を日本人に紹介したい。不景気はずっとは続かないものです。がんばればできる、私はそう信じています。