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ワイワイタイランド.COM >  コラムカテゴリ >  すごいぜ ながおか先生 >  【相談】帰りたくない!退去強制手続きとはどういうものか

【相談】帰りたくない!退去強制手続きとはどういうものか


【質問】
こんにちは。私はタイレストランを経営しています。今、日本語学校に通う留学生が資格外活動許可をもってホールスタッフとしてアルバイトしています。彼女はタイで大学を出ています。彼女が日本語学校を卒業したら<技術・人文知識・国際業務>ビザに切り替えて、引き続きホールスタッフとして働いてもらいたいと思いますが、大丈夫でしょうか?
周りに聞いてみると、<技術・人文知識・国際業務>ビザをもってホールで働く外国人は多いといいます。また、「簡単にビザが取れる」という人もいれば「ビザを取ろうと思ったけど、不許可だった」という人もいます。不安になります。
 ※上記質問は以下解説のために創作されたものです。

 

サワディーカップ!長岡です。
 今回は実際の退去強制手続きの中身についてお話したいと思います。
 
 退去強制手続きに該当する状況として最も多いのはオーバーステイ、そして不法就労、不法就労助長罪、売春や麻薬等の犯罪によるものでしょう。
 以上のような不正を犯したにも関わらず、全ての外国人が引き続きの在留を特別に許可されるとは限りません。
 
 どのような方であれば在留を特別に許可される可能性があるのでしょうか。それは日本人や永住者、定住者との強固な夫婦関係を築いていたり、その子を扶養している等の事情、その他に超長期に渡り日本に定着して生活していることや既に永住許可を受けている等の事情が考えられます。中でも特に家族関係の保護に関する理由によるものが多いでしょう。以上の事情がない場合、可能性は極めて低いと言えます。
 それでは退去強制手続きはどのように始まるのでしょうか。警察や入管に摘発された場合と自ら入管に出頭する場合に分かれます。
 
 ここでオーバーステイを例にとりましょう。
摘発されてしまった場合は入管に収容される可能性が高く(子どもを扶養している等の事情があれば仮放免となる可能性あり)、すぐに退去強制手続きへと進むこととなります。しかし自ら入管に出頭した場合、入管に収容せず手続きを進める可能性が高く、退去強制手続きでなく<出国命令制度>という手続きを選択することができます。
 退去強制手続きにあたっては多くの方が「日本に残りたい」と願っているかもしれません。そのような方に帰国を前提とした<出国命令制度>を選択することはどのようなメリットがあるのでしょうか。まず、退去強制手続きの結果、在留が特別に許可されなかった場合について見てみます。
 
退去強制手続きは時間をかけて複数回のインタビューをします。最後に在留を特別に許可するかどうかの判断がされますが、その結果、在留が特別に許可されなかった場合、退去強制令書が発付され、入管に収容され(これまで仮放免されていた方もここで収容されます。)、自主退去をしない限り公費による強制退去を延々と待つ身分となります。長期間入管に収容されることとなりますが一定の事情のもと仮放免されることもあります。しかし自由に働いたりできません。再度収容されることもありますし、ある日突然強制退去となる可能性もあります。そのような状況において在留を認めさせる方法には裁判手続きがありますが、勝訴する可能性は極めて低いのが現状です。また、そこには弁護士費用が発生します。勝訴の確率は個別の事情により変わりますが、自分と家族の時間的・精神的・金銭的負担と勝訴の確率とを比較して冷静に判断をすることが大切です。その他、退去強制令書発付後に結婚をした、子どもが出来た等の事情で入管に対し、改めて在留特別許可の判断を願う<再審査情願>という方法もありますが、これについても結果が保証されません。
 
全てのケースで申し上げる訳ではありませんが、退去強制手続きの結果、在留特別許可が受けられなければ早く自由が得られるよう、速やかな帰国をお勧めします。
なお、退去強制令書発付後に帰国した場合、日本へは5年間再上陸することができません(なお、過去にも退去強制等による出国の経験がある場合は10年間、一部の犯罪等においては無期限に上陸が拒否されます。)。
しかし上陸拒否期間中でも家族が離れ離れになっている等の事情がある場合、上陸特別許可といって早期に日本に来ることができます。そのためにどの位の期間が必要かは個別の事情により異なりますが、家族との連絡が頻繁に行われている場合、2年程度で日本に戻れることもあります(無期限上陸拒否の場合、更に時間を要することが通常です。)。よって、退去強制令書発付後、不自由な中でストレスを溜め、お金と時間をたくさん使うよりも、一旦母国に帰って自由になり、生活再建にお金を使い、改めて来日する方が早く家族で安心して生活できる事例が多くあります。
 
それでは、もう一つの選択肢である<出国命令制度>について説明します。出国命令制度を利用して日本を出国した場合、5年またはそれ以上ある上陸拒否期間が1年間にまで短縮されます。これが出国命令制度の特徴です。1年後の再来日に向けて故郷で家族と一緒に過ごし、日本語の学習期間に充てるのも良いでしょう。
なお、<出国命令制度>を選択するには一定の条件がありますが、これまで出国命令または退去強制により日本を出国したことが無く、帰国の意思をもって、摘発されず自ら入管に出頭したのであれば問題ないでしょう。
何事も内容を良く知り、冷静に判断することが重要です。

 

 

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