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【情報】たとえ選挙が行われても

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タクシン元首相がいたころの投票シーン。
今回も同様に熱く盛り上がれるのだろうか

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この先しばらくは軍部主導の政治体制が続くだろう

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最近のタイの政治家は困ったときの国王頼みの姿勢が顕著になっている。国王の負担はかなりのものだ
タイの下院総選挙の投票日が本年の12月23日に決定したらしい。「それがなんだ?」と思う人もいるかもしれない。私もそうで、選挙くらいで驚くなと言いたいが、これが実は大変なこと。なぜなら現在、タイの議員のほとんどは公職から追放され、国会というものも存在していないからである。そんなことでよく国が成り立つもんだなあと感心至極。この状態は1年以上も続いていて、実際に問題らしい問題も起こっていないのもまたすごい話だ。泥沼の政争や南部のテロは続いているが、異常も連日続けば日常ということにしておきましょうか。

ともかくタイは国王と軍隊がいれば国家機能が維持できる世界でも数少ない国であることを証明したわけだが、それでは国際的に恥ずかしいし、タイという国を知らない人たちから見れば現在のタイの情勢もミャンマーの情勢も違いはない。そんな状況から脱するための選挙が、この12月に行われるのである。

さて、いったいどうなるものか。現在のタイは武力クーデターによって成立した軍事政権国家だ。これが選挙によって民主主義国家になる…はずだが、強力な事前工作によってすでに軍関係者が有利になる展開が作られており、政権がどのように変わったとしても軍事色が薄まることはないだろう。

その結果としてこの国がどうなるか。いろいろと言われてはいるが、たいした波乱はないだろう。タイの国民はかなり冷静で、どう転んでもミャンマーのような流血の民衆騒乱にはいたらないはずだ。

あるいはタイの人々は、すでにしらけきっているのかもしれない。「国会なんてあってもなくてもいい」とよく言われるが、彼らはなくても困らないことを現実として知ってしまった。そんな人々に選挙や国会の重要性を説くほうが難しい。

誰が選ばれても、誰が首相になってもなにも変わらない。国際的には注目を浴びている今回の下院総選挙だが、国民はどうにも醒めているように見える。それがこの総選挙の一番の問題点だろう。